第10回 九州地区撮影会

コンテスト結果   (2011年1月発表)

         総  評         選者:蜂須賀 秀樹 先生

全体的にレベルが高く、北九州の方たちは本当にテクニシャンばかりだと感じました。モデルに撮らされるのではなく、合成や色調を変えるなど、さまざまなテクニックを使って自分の表現をされている方が多く、私自身、とても勉強になりました。
ヌード撮影会では、作者の個性を出すことが大切です。そのため、たとえモデルの顔が写っていなくても、作品として自分の狙いが表現できていればコンテストの上位になりえます。今回のコンテストでも、個性的な作品が上位を占めましたが、やはり、どの作品も作者の狙いがしっかりと伝わってくるものばかりでした。
コンテストは、ある意味で審査員との駆け引きです。審査員に自分の狙いを伝えるためにどのように撮ればよいか。コンテストに応募されるときは、そのことを念頭に置いて撮影してみてもよいのではないでしょうか。

(申し訳ありませんが作品は都合により掲載できません)

 

氏  名

画   題

推   薦

 

垣上 尚人 Silent Time

この作品は、撮影場所に対して、体のラインが美しく見えるポーズをモデルにさせたのが成功しています。斜めのラインを生かした構図がよく、さらに表情もとてもよい瞬間をとらえています。セピア調で仕上げたことで、部屋の雰囲気を的確に表現し、少しヨーロッパ風に感じられるモダンな印象も、日本人離れしているモデルの容姿にマッチしました。撮影前のセッティングから仕上げの段階まで、細部まで計算された素晴しい作品だと思います。

特   選

 

白川 博之 妖 艶

長じゅばんに合った色ののれんを少し入れ、タイトルに合った色調で全体のトーンをうまく統一しています。ヌードを撮るときは、造形美を見せるか、エロチシズムで撮るかで悩むところですが、この作品の場合は、周辺をボカして見事に妖艶なムードを醸し出していると思いました。

 

八尋 聡 おめかし

ピアスを着けているモデルの自然なしぐさがいいですね。鏡に映り込んでいる表情をとらえたものですが、左下に実像が入っているため、主役のモデルが引き立っています。また、白いブラシが非常に効いていて、自然さを演出するよいアクセントになっています。

準 特 選

 

安藤 弘幸 Shadow Lady

影を利用した作品は多かったのですが、この作品が一番個性的に撮られていると感じました。色調をブルーにして作者のイメージした世界を表現し、さらに画面を歪めて撮ったことで動きが生まれ、作品の質を高めています。

 

林  博 着替え

窓から差し込む光を背にして、モデルをシルエットでとらえた狙いがいいですね。細部まで鮮明に写し出してこの場を説明するのではなく、ボケを効果的に使い、雰囲気描写だけでモデルの美しさを上手に引き出しています。

 

 

宮崎 征士郎 開演前

ストレートに撮った記念写真のような作品ですが、作者とモデルの関係性が伝わってくる撮り方に好感が持てます。ピアノを全部入れるのではなく、鍵盤のところだけに留めたことでモデルとのバランスが取れ、作品がよりよくなりました

 

入   選

 

奥村 一夫 ポーズ

 

尾崎 武吉 凝 視

 

河上 平八 思い出に耽る

 

小林 勲 シルエット

 

城崎 全輝 静かな部屋

 

祐定 潔 窓辺にて

 

宗 昌博 光と影

 

高木 寿 光と陰

 

宮本 重暉 微笑み

 

渡辺 宏一 ひとみ

 

佳   作

 

上田 力三 窓辺にて

 

臼本 豊

 

黒木 丸生 シンメトリック

 

小寺 輝久 暖炉

 

酒見 寛 願い

 

島田 文子 成 熟

 

中尾 勝人 微笑みの朝

 

橋本 太 乱れ髪

 

福田 勝 舞 う

 

宮崎 末美 暖簾と女

  以上

 注) キヤノンフォトクラブ北九州会員の方は会員専用ページより御覧ください。